ミサワブラック!!

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マンガが上手い人とイラストが上手い人は違う問題(イラスト上手い編)

はじめての女性が、アホみたいに巨乳だったせいで、しばらくOPPAI星人となっていた時期があった。

 

なにしろ、手だろうが顔だろうがおっぱいに埋まっていく感覚が忘れられなくて、

「えー!?女の子ってこんな柔らかいの!!」
「女子基準の方のぽっちゃり(大半の男が小デブ呼ばわりするぐらい)でもいいから、触り心地がいい巨乳の方が、お得やん!OPPAIあるなら太っててもええし、むしろOPPAIが本体やん!!」
みたいになってた時期がそれがしにはあった。

 

なんでこんな話をしているかと言うと…俺の部屋から、その時の名残を感じさせる本が出てきた。

 

大学時代の初期衝動の正体を突き詰めるのに、6年ほどかかる

家から出てきたのはtoshさんの「めんくい!」という本。

なんでこの本が、その「巨乳好きだった時の名残」の本なのかは記事を読み続けてもらうとわかると思うけど…当時の僕の好みはこじれてた。

 

大学時代に好きだったそっち系の本は
・バー・ぴぃちぴっとさんの少女趣味な本各種
・toshさん含めたグラマラスな女の子が出てくる本
とだったため…ぼくの中で、割とどっちが好きなのかを自分でよくわかんないところがあった。

 

で、長いあいだ色んなマンガを読んでいくうちにどうも…ぼくの好みは
・ストーリー性や世界観に優れてる(凝ってる)そっち系のマンガ
または、
・その時のぼくの中でブレイクしている…タイプの女の子が出てくる作品(こっちはストーリー性問わない)

または、

・絵がうますぎて、何描いてもこの人が描いたものならいいと思っちゃう。ストーリーすらいらぬ
の3択。

 

 

世界観が凝ってて、その時の気分や好みを配慮しなくても読めるハーレム系の作品が多い師走の翁や、立花オミナあたりは…いつでもいつまでも(?)読めるから、とてもありがたい。

 

だから…極端に少女趣味ってわけじゃなくても…バー・ぴぃちぴっととか、くじらっくすさんの作品は、抜き差しの問題関係なく読みたくなる。緑のルーペさんも割と童顔よりのキャラを多く描くこと考えると…少女趣味の作品の方がどっちかと言うと、ストーリーや関係性にこじれた部分を持ち込む作品が多くて、そこを好んで読んでしまうところがあるのかも。

あのもうちょっと普通な人…と言われたら、スミヤさんとか好きかな…。

 

あれは…そこまでこじれてもないし、ゲスくもないけど、変に関係性が鮮明で僕は…キャラ付けに惹かれてしまうところがある。…男の子のキャラも蔑ろにしないところとかも含めて好き。

 

 

…絵がうますぎて何描いても好みという観点でいうと信じろさんが俺の中ではそこの領域にいる人。

ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨンのキャラクター原案もやった人なんだけど…この人が描く女の子って胸の大きさに関係なく、魅力をしっかり引き出してくるから…好み。

 

また、大人の方のマンガも読んだことあるんだけど…メリハリがすごい。
ストーリーやセリフ回しがすげー好きってわけでもないんだけど、イラスト自体の力が強すぎて、イラストで強引に説得力をもたせる力がすごすぎ!!

 

…話をtoshさんに戻すが…厳しい話をする。

6年間色々なマンガを読みすぎた結果として…僕の中では「めんくい」が大学生時代のノスタルジーにしか思えなくなってしまった。

 

6年の歳月をかけて自分の好みを見つけたが、6年前に買ったマンガが色褪せて見えた

というのも、この人、めちゃくちゃ絵がうまいことだけは折り紙付き。
公式には別人扱いされているけど「絶対に同一人物」だと言われているのが、ジャンプで食戟のソーマを連想している佐伯俊さんその人だからね。

 

絵柄が死ぬほど似てるので、参考も兼ねて紹介しておくと…こんな絵柄でむっちりとした女の子を描きまくってくるので…当時はすご~く衝撃的だった。

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 本人なのかどうかはともかく、こんぐらいむっちりとした女の子を描いてくる作家さんだったんですよ…toshさんって人は。

 

ただ…6年ぶりに見て愕然とした。

 

絵自体は今見てもすご~くうまいし、当時OPPAI成人になってた僕がなんで「めんくい!」を買ったかも、よーくわかる。

でも、コマ割りやマンガのテンポ、ストーリーの運び方が単調になってしまっているように見えた。

…というのも…顔だけのカットや女の子の表情が変わっていくシーンがじっくりと描かれないため…何枚もの写真をパラパラめくってるような感じになって、マンガとして読めなかった。

 

いや、読めるには読めるんだけど、シーンとシーンのつなぎになってるコマが少ないから話がすっ飛んでるように見えたり、淡白に見えたりして、没頭できなかった。
どうじに、いくらイラストがいいとは言え、カットやアングルに凝ってるとは言え、緩急がついていないから…数年ぶりに見ると、目がすぐにあきてしまった。

 

イラストレーター寄りの人がマンガを書くとテンポが遅くなる人が一定数いる。

ちなみに、この傾向、初めてではない。
イラストレーターさんが手がけるマンガを読むと…ちょいちょいあるんだよ。

ヤマノススメの人然り、本ブログで紹介した「スーパーカブ」の蟹丹さん然り。

その時の記事:マンガ「スーパーカブ」は思春期です。3回読んでください。 – 青二才は振り向かない!!

 

スーパーカブというマンガを読んだ時に…面白いつまんない以前に、あまりにもテンポが遅すぎて
「やりたいこともわかるし、うまいと思うんだけど、このテンポの遅さは賛否両論…いや、初見の人に、このマンガ1冊で納得させるのはしんどいのでは?

と僕の中では疑問に思った。

これは、他に読んだ人に聞いても同じようなこと言われるし、言い合ってる。

 

toshさんと、蟹丹さんの病…とまで言わないにしても、ある程度マンガを読む数をこなしてから感じる違和感は…多分近いと思う。

 

違和感の原因としては…全身を描いた絵が多すぎる。
絵がうまいからこそ、大きくページを取るような全身絵が多くなったり、マンガ特有の効果よりも、人物を丁寧に描く方が優先されたりするから…絵として「すげーうまい」と感じる部分と、マンガとして読んだ時の「あれ?そんなに内容が頭に入ってこないぞ?」という違和感との間で溝が生まれる。

 

100回でも200回でも言うけど…今挙げた人達って人物絵や一枚絵はうまいんだよ?

だからこそ、そういう人のマンガを面白いと感じられなかった時や、人に凄さを伝えきれなかった時に「じゃあ何が違うんだろう?」と思ってしまったわけ。

 

 

そこで気づいたことが…マンガとしてどうなのかという問題。

マンガってコマ割りや演出の問題が読んでいる時の気持ちよさやテンポ感に結びついてくるから…読んだ後の気持ちよさは…絵につける効果やコマ割りを使ったメリハリの方が物を言ってくる。

 

メリハリよりも、キャラの体付きや全体の絵を増やしてくる作風に走ると…テンポが悪くなるか、展開が遅くなるか、見せるべきところが淡白になる(メリハリを生むような細かいコマが描けなくなる)という方向でマンガを圧迫してしまう。

 

風景や人物絵を強調したい作品ならそれもありだし、的外れではないのだが…それでも、のんびりとのっぺりとしたマンガになってしまう。

 

上原浩治になるか、大谷翔平になるか…しぶとく生き残るのはその2タイプだ

ではどういう風に解決するか?というときに、最初の方で、あっち系のマンガ家の人の分類を思い出してほしい。

・ストーリーや設定がうまいから好き
・絵が今の好みと合ってるから好き
・絵が超絶的にうますぎて、この人が描いたものはなんでも好き
の3種類をぼくは最初に挙げた。

 

で、その時に1の中でもそこまでストーリーがこじれてないけど、好きな人としてスミヤさんというマンガ家さんを挙げ、3種類目の絵が神がかりに上手い人として信じろさんの名前を挙げた。

 

この二人と、「今の絵柄と自分の好みが一致している」との違いは何かと言うと…イラストが上手い人の陥りがちなマンガの行き詰まりを解決しているということ。

 

試しに…スミヤさんのマンガを比較として読むと…明らかに、汗とか汁とかの量が多かったり、コマの区切りが細ったり、全身絵が少なかったりして…マンガとしてシーンの変わり目やテンポの変わり目が多いし、細かい。

平たく言うと…演出がうまいから、緩急をつける技術がやたらと高い。

 

しかも、緩急をストーリーのこじれた部分ではなく、彼と彼女の感情描写だけでやってのけるから…スミヤさんはすごいと思う。

 

一方、信じろさんは…平たく言うと…何描いてもうまい。
この場合の「何描いてもうまい」は、「どんな女の子を描いてもうまい」ではなく、「どのアングルで描いても、男が女の子に目を奪われがちなところを、丁寧に丁寧に抜き出して、どれもこれも、女の子が一番かわいく見えるみずみずしさと輝きで描き出すだけの画力をもってる

という、意味での凄さ。

 

そこまで多くの…それこそ、本職のあっち系のマンガ家さんほどのコマ割りやセリフや演出の工夫をしてないはずだけど、1枚1枚がうますぎて、どれを見てもキュンとくるから…小細工抜きにずっと見ていられる…という感じの凄さ。

 

野球でいうと…スミヤさんみたいなタイプは上原浩治で、信じろさんみたいなタイプは大谷翔平なんよ。

 

上原って、ボール自体は普通のプロなんだけど、度胸とコントロールが素晴らしいすぎて、上原が投げると普通のボール・わかりきった球種でも打てないボールに変わる。そういう順番やタイミング、基本動作を全部知り尽くしてる。

 

大谷翔平って、日本で165キロを投げた投手でかつ、150キロ近い変化球も投げるわけだけども特段タフでコントロールがいいかと言うと…別。
すごくたくさんの作品を書いてるわけじゃないけど、描いた作品がことごとく、何を描いても1キャラ単位、1コマ単位でずば抜けたパフォーマンスを見せてくる信じろさんはまさに大谷翔平。 

 

 

 何が言いたいかって言うと…マンガって、同じキャラクターの絵を繰り返して描くか、ある程度決まりきったストーリーを繰り返す物が多いから、それを飽きさせない演出力をつけるか、何描いてもうまくてその人が描くと魅力的なシーンが増えて見えるか…というぐらいにならないと、たとえ絵が上手い人でも、マンガを読んだ時の感触としての「あれ?」っていうのが残るんですよね。

 

もちろん、プロのマンガ家さんになったり、プロの野球選手になれる人は150キロの豪速球なり、普通の人には考えられないほど丁寧な画力を、平均値として持ち合わせてる。

 

だから、どの人もすごいし、チャンスはある。

 

でも、一番すごい人を倒すために鍛えていたり、すごい作品に基準を合わせて読む以上、平均的な作品や特化した部分がない作品は、どことなく前評判に比べて目が慣れてしまってすごさが伝わりにくいところがある。

 

それを6年ぶりにマンガを読んで感じた。

6年前のぼくは、巨乳好きだったから、この人が1冊まるまる描いてくれているOPPAIだけで十分楽しめたけど、今の僕は大きい胸を描くマンガ家やイラストレーターに慣れすぎてしまったため、絵のうまさに感動しても、マンガに感動できなくなってしまった。

 

絵がうまい人がマンガを描いているため、商業誌は…あっち系だろうがこっち系だろうが「その時の気分と合ってたからすごく好き」と思える作品はある。
でも、読む側がオタク的に色んなものを読んだリ研究しているうちに「気分と合ってたから好き」という部分はなくなっていく。

 

重視している価値観や演出の違いがあるから何が優れているか…なんて議論はできない。
ただ、ずっと飽きずに読める作品は「その時の気分」を捉える作品でありつつも、それを何度読んでも飽きない「なにか」があることと、読み終わった後の気持ちよさや面白かったという記憶が重要なのかもしれない…。

 

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 ちらっと、触れてたから書いとくと、信じろさんがニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨンで手がけたキャラは…ユカノです。

 

古事記には書いてないかもしれないけど、公式ツイートには書いてある。